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法律Q&A

 

法律Q&A

Q1.内容証明郵便とは?

内容証明郵便とは郵便の一種であり、法的トラブルの解決手段として用いられ、またトラブルの予防にも効果的です。

普通の手紙なら相手が受け取ったかどうか証明が難しく、言葉なら言った言わないの問題が起こります。

内容証明郵便は郵便局がその手紙を保存し、その手紙を相手方に届けたことを証明します。

内容証明郵便は法的な拘束力はありませんが、相手に心理的効果を与えるものであるので、弁護士は頻繁に活用します。

また内容証明郵便は相手方への宣戦布告にみあたりますので、使い方を間違えるとさらに大きなトラブルへと発展する可能性もありますので、内容証明集便の利用には注意も必要とされます。

内容証明郵便に関してさらに詳細をお知りになりたい方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

Q02.クーリングオフとは?

訪問販売などで契約をして商品を購入した後に、一定期間無条件で契約を法的に解除できることを称してクーリングオフといいます。

たとえば、訪問販売で売買契約を結んだけれども、次の日に買わなきゃよかったと思ったときに、8日以内であるならば無条件で解約できます。

また解約する時に解約理由を伝える必要はなく、あくまで無条件での解約をすることができます。

注意しなければならないことに、すべてのものにクーリングオフが適用されるわけではありません。

通信販売のように適用除外の契約もあり、多くの通信販売会社では法的なキャンセルではなく、独自に返品の契約を設定している業者が多いようです。

また販売方法によってはクーリングオフの期間がそれぞれ設定されています。

クーリングオフに関しての注意点として、必ず書面で通知することです。

さらに証拠として残る内容証明郵便で送ることが確実です。

業者に口頭で伝えた場合、後からトラブルになることが多いので気をつけてください。

クーリングオフは発信主義が適用されます。

発信主義とはクーリングオフの書面が業者に到達した時点でなく、書面を発送した時点でクーリングオフの期間内であれば有効です。

高齢化社会が進み、、訪問販売でのトラブルは益々社会問題化して来ています。

クーリングオフは私たちの生活と密着した問題であり、知識として知っておくべき重要な内容です。

Q03.改正貸金業法とは?

通称改正貸金業法とは平成18年12月に改正された“貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案”のことです。

その主な内容としましては、

1.金利についてはグレーゾーン金利である年29,2%(出資法)が廃止され、出資法上限金利を20%に引き下げられ、これに違反すれば5年以下の懲役、若しくは1,000万円以下の罰金に処せられ、または併科されますが、業者が年109,5%(閏年は109,8%)を超える場合の罰則が5年が10年に、1,000万円が3,000万円となります。 ※出資法とは「出資の受入れ、預り金および金利等の取締りに関する法律」です。

2.貸金業者としての最低純資産額が5,000万円以上が必要となりました。(NPOバンクなどは500万円以上となっています。)

3.総量規制と呼ばれるもので、平成22年6月より50万円以上の貸付の又は総借入残高が100万円以上となる場合には、年収の3分の1を超えて貸付けることは禁止されます。

Q04.連帯保証人とは?

私たちの生活のあらゆるシーンで保証人を求められる場合があります。

車の購入や住宅ローンの契約をする時、また出産で入院する時に保証人を求めてくる病院もあります。

連帯保証人とは本人が弁済能力が無い時に、二次的に支払い義務が生じてくるものであります。

つまり連帯保証人は本人と連帯して弁済をする義務が生じることになります。

そうゆう訳で、本人が車を購入した時に連帯保証人になった場合、連帯保証人自身も車を購入したということにみなされます。

気軽に連帯保証を引き受けたために、後に大きなトラブルになる事件が後を絶ちません。

以前は保証契約に関して規定はありませんでしたが、安易に保証人を引き受けることを防ぐために、平成16年に民法第446条が改正され、書面または電磁的記録でしなければ効力が発生しないとされました。

日常生活の中で、保証人になることを依頼されることも多いと思われますが、そのような場合、その保証がどのようなものであるかしっかり確認することと、不明な点がある場合には即断せず、一度弁護士等の専門家に相談することをお勧めします。

Q05.ブラックリストとは?

債務の支払いが滞った場合、「ブラックリストに載ってしまう」という話を聞いたことがあると思います。

このブラックリストとは、法律用語ではありませんし、金融業界においても、ブラックリストというリスト自体が存在するわけでもありません。

一定期間支払が滞ったり、破産したりした場合、その事故情報が信用情報機関に登録されてしまいます。

この事故情報が登録されている状況を、「ブラックリストに載っている」と表現しているのです。

さて、ブラックリストに載ると、当然ながら新たな借り入れができません。

新規にローンを組むことも、クレジットカードを作ることもできません。

ブラックリストへの事故情報の登録期間は、信用情報機関により区々ですが、概ね5年間の信用情報機関と10年間の信用情報機関に分かれるようです。

自らがブラックリストに登録されているかもしれないとご不安な方は、信用情報機関に対して開示請求をすることによって確認が可能です。

該当の有無及びその内容につき、書面で開示を受けることができます。

各種信用情報機関により手続き(必要書類・手数料)が異なりますので、事前に確認されることをお勧めします。

全国銀行個人信用情報センター(KSC) http://www.zenginkyo.or.jp/pcic/ 株式会社シー・アイ・シー(CIC) http://www.cic.co.jp/ 株式会社日本信用情報機構(JICC) http://www.jicc.co.jp/ なお、身に覚えのない延滞情報が登録されているため、住宅ローンが組めないといったご相談も時折いただきます。詳しいご事情をお聞きして対策を検討する必要がありますので、当事務所までご連絡ください。

Q06.介入通知(受任通知)とは?

貸金業者や債権回収会社からの督促に困り果てて当事務所へお越しいただく方は非常に多いのですが、そのような督促(電話・FAX・訪問等)をストップさせる仕組みにつきご説明します。

弁護士に債務整理の事件を正式に依頼されますと、弁護士は即座に債権者に対して介入通知(受任通知)を送ります。この介入通知には、単に債権者に対して事件の受任をしたことを通知するだけではなく、貸金業者や債権回収会社からの直接の取り立てをストップさせるという効果があります。

法的な根拠ですが、貸金業者に関しては、貸金業法21条1項9号が、「債務者等が、貸付の契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士もしくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があった場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること」を禁止しています。

これに違反した場合は、2年以下の懲役、300万円以下の罰金、あるいはその両方の刑罰を科すものとされており(47条の3第3号)、刑罰による制裁が法律により規定されています。また、業務停止や貸金業登録取消といった行政処分の対象となる場合もありますので、貸金業者にとっては、こちらのほうが深刻なダメージとなるでしょう。貸金業者ではない債権回収会社(サービサー)に関しても、類似の規定がいわゆるサービサー法により定められています。

このように、弁護士が介入通知(受任通知)を送ると、貸金業者やサービサーからの督促はピタリとストップします。これにより皆さん一様に安堵され、請求に怯えて精神状態が尋常でなくなっていた方も、ひとまずは落ち着いて冷静さを取り戻すことが可能となります。

以後は債権者への支払も必要なくなりますので(逆に、支払うと偏波弁済となり免責不許可事由になるため注意が必要です。)、落ち着いて申立へ向けた準備に着手することができます。

なお、介入通知により法的に取り立てを停止させることができるのは、貸金業者とサービサーのみです。したがって、個人の債権者は介入通知を受けたとしても取り立てをすることが可能です。 また、制限されるのは、上記のとおり、訪問やFAX等に限られますので、訴訟を提起することは制限されません。

したがって、介入通知により、毎日あった電話がかかってこなくなり安心してしまい気持ちが大きくなって、弁護士から依頼を受けていた資料の収集等を放置して相当期間が経過してしまって、ある日突然債権者から訴訟を提起され、青ざめて弁護士に連絡をするといった方がおられます。給与債権を差し押さえられたりすると、生活自体が突如に苦しくなるのはもちろんのこと、その後の申立手続自体も方針転換を迫られる事態となってしまうことがありますので、取立てがストップしたからと言って油断は禁物です。

Q07.消滅時効とは?

長年支払っていなかった債務につき、突如債権者から督促が来たがどうすればいいだろうか、という内容のご相談を受けることがよくあります。 借入を行った時の住所からお仕事などで一時他へ移られ、また戻ってきたときなどにそのような通知が届いたりすることが多いようです。 このような場合、消滅時効の援用が可能な場合もありますので、不用意に債権者への支払を行うことは危険です。

消滅時効とは、債権者が債務者に対し請求等をせずに、法律で定められた一定期間が経過した場合に、債権者の法的な権利を消滅させる制度です。 すなわち、金融機関から借入をしたものの、5年間以上一切請求もされず、債務者の側においても一切返済をしていなかった場合、当該金融機関に対して消滅時効の主張をすると、その金融機関はもはや債務者に対して返済する旨請求することができなくなるのです。

それでは、どのようにして消滅時効を主張(法律用語で、これを「援用(えんよう)」といいます。)するのでしょう。特段その方法が法定されているわけではないのですが、援用したことを明確化して後々の証拠として保管するため、債権者に対して弁護士作成の内容証明郵便を送ることにより、消滅時効の援用を行うこととなります。

かかる通知を受けた債権者は、時効期間が完成していることを認めるのであれば、その後特に連絡はしてきません。内容証明発送後、大体3週間程度音沙汰がなければ、時効の完成を債権者が争わないという姿勢であろうことが推測されます。一方、時効中断事由(後述します。)が存在するとして、債権者が時効の完成を争う場合は、当該中断事由の存否につき攻防するか、あるいは中断事由の存在を認め、別途債務整理の手続きに進むこととなります。

ここにいう時効中断事由とは、請求、差押・仮差押・仮処分、承認です(なお、仮の中断事由として、催告というものもあります。)。詳しくはまた別の機会にご説明しますが、債権者としては、上記「承認」を得るため、「今払えるだけでいいから、とりあえず1000円でも入れてくれ。」といった話をしてくることがありますので、要注意です。

あなたがたとえ1000円でも返済してしまうと、それは承認したこととなってしまいますので、もはや消滅時効の援用ができなくなってしまいます。もし債権者からそのような申し入れをされている場合は、当法律事務所までご相談下さい。

ところで、消滅時効の完成にどれほどの年月が必要かといいますと、個人間の借入は10年ですが、サラ金やカード会社からの借入は5年で時効にかかります。 ただし、たとえ債権者が貸金業者であっても、すでに判決を取られている場合には、そこから時効が10年間延長されますので注意が必要です。

また、債権者が信用金庫、信用組合、農協、商工中金、労働金庫、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)などの場合は、時効は5年ではなく10年となります。これは、信用金庫等は営利を目的とした組織ではないため、商事消滅時効(商法522条)の適用がないからです。

Q08.免責とは?

個人破産を申し立てる皆さんにとっては、免責を得られるか否かが最も重要な目的だと思われます。ここでは、免責制度について解説をさせていただきます。なお、免責は自然人についてのみ認められます。なぜなら、法人は破産を解散事由としているため、清算が結了すると法人は消滅し、免責制度を必要としないからです。法人の代表者の方が破産を検討する際、法人の債務を代表者が個人保証している場合がほとんどですので、そのようなケースの場合も当事務所へご相談下さい。

まず、免責許可の申立は、破産手続開始の申立があった日から破産手続開始の決定が確定した日以後1か月を経過するまでの間にすることができます(248条1項)。もっとも、先述したとおり、自己破産の申し立ての場合は、免責を受けることを主たる目的とすることがほとんどですので、債務者が破産手続開始の申し立てをしたときには、反対の意思を表示しない限り、当該申立と同時に免責許可の申立をしたものとみなされます(同条4項)。

免責許可の申立があったときは、裁判所は、免責許可の決定をすることの当否につき、破産管財人及び破産債権者について意見を述べることができる期間を定め、公告及び知れたる破産債権者等への通知を行います(251条)。

管財事件の場合、管財人は、免責不許可事由の有無又は裁量免責の判断に当たって考慮すべき事情につき調査し、その結果を書面で裁判所へ報告します(250条1項)。破産者はこの調査に協力する義務を負い、これを拒んだり虚偽の説明をしたときには免責不許可事由とされてしまいますのでご注意下さい(252条1項8号)。 さて、気になる免責許可決定が出るか否かですが、破産法は、免責不許可事由(252条)の存否につき審理をし、当該事由がない限り、免責が許可されるという建前を取っています。

もっとも、免責不許可事由があっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他の一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができます (252条2項)。これを裁量免責といいます。

免責不許可事由で多いのは、やはり「浪費又は賭博」(252条1項5号)です。たとえば、事業がうまく行かずに収入が減少した後も生活水準を落とせず(あるいは家族に収入減の事実を説明できず)現実の家計に見合わないレベルの生活をしている場合に「浪費」行為を行っていることになってしまう可能性はありますし、

あるいは、負債の穴埋めのためにギャンブルで一山当てようと考える方もおられます。なお、ギャンブルには、競馬やパチンコはもちろんのこと、「宝くじ(toto等を含む。)」も継続的に長期に渡り多額の金銭を投じている場合には該当しますのでご注意下さい。

その上で、自身が裁量免責を得られるか否かですが、当事務所では、依頼者の方から個別具体的な事情を詳細にお聞きし、免責不許可事由該当性は否定できないにしても、それが軽微なものにとどまる、あるいは債務が膨れ上がった経緯に照らしてやむを得ないと認められると裁判所に対して説得的に主張できるかにつき一緒に検討させていただきます。

場合によっては、裁判所から自筆の反省文の提出を求められることもありますし、裁判所への出頭を命じられることもあります。その際は、弁護士が反省文の書き方についてアドバイスさせていただきますし、裁判所にも付添で同行いたします。なお、当該債務の借入につき刑事事件になっているような深刻な状況の場合には、免責不許可決定が出てしまう可能性も高いです。

ところで、破産免責の理論的根拠については議論があるところですが、旧法下の判例は、誠実な破産者に与えられた特典という立場を採っていましたが(恩典説)、現行法においては、「債務者について経済生活の再生の機会の確保」(1条)を目的とした上で裁量免責制度を導入していることから、債務者の経済生活の再生のための手段を政策的に付与したものとの考え(政策説)が妥当だと考えます。

現代社会においては、様々な理由により借金を抱えてしまった方が無数におり、その方々がそれぞれに経済的再起更生を図ることは社会的にも非常に重要なことであると考えます。 以上のように、ストレートに免責不許可事由に該当する場合でも、破産者の方の真摯な反省が見られる場合には、裁量免責を得られることも不可能ではありませんので、神戸で債務整理35年を超える当事務所にご相談下さい。

Q09.支払督促とは?

ある日突然、裁判所から支払督促の封書が届いて驚かれた方もいらっしゃると思います。しかし、これを無視していると大変危険です。このページでは、支払督促が届いた場合にどのように対処すべきかをご説明させていただきます。

まず、支払督促とは、簡易裁判所の裁判所書記官へ申し立てることにより、簡易迅速な書類審査により、相手方へ支払の命令を出してもらえる制度です。

通常の訴訟と異なり、証拠を提出する必要も、期日に出頭する必要もありません。印紙代も通常訴訟の半額で済みます。

したがって、信販会社や消費者金融、又は電話会社等、日常的に膨大な数の顧客に対して一斉に滞納金を請求する業者にとっては、支払督促は大変便利な手続きですので、これら債権者への返済を滞納している場合には、ある日突然支払督促が届くということがあります。

さて、支払督促を受け取った後の手続きは、どのように進行するのでしょうか。

債務者は、支払督促を受け取った日の翌日から起算して2週間以内に異議の申立てをすることができます。しかし、債務者がこの異議の申立てをせずに放置してしまった場合、裁判所は、債権者の申立により、支払督促に仮執行宣言を付さなければならず、債権者はこの仮執行宣言付支払督促に基づき、強制執行の申立をすることができるようになります(債権者への送達により、確定を待たずに執行力が生じ債務名義となりますので、執行文の付与を要さずに直ちに強制執行が可能となります。)。

すなわち、あなたが支払督促を放置していると、あれよあれよという間に手続きは進行してしまい、次は突如、不動産や預金口座、あるいは給与債権を差し押さえられてしまうという事態になってしまうおそれがあるのです(なお、仮執行宣言付支払督促に対しても異議の申立てはできますが、異議を申立てただけでは強制執行は停止されませんので、別途、強制執行停止の手続きも取らなければなりません。)。

債務整理で当事務所に相談に来られる方の中には、「よくわからないので支払督促を無視していた。」という方がよく見られます。お気持ちはよくわかります。

しかし、異議の申立をせずに放置していると、上述のとおり非常に危険な状況に陥ってしまうおそれがありますので、支払督促を受け取った場合には、必ず中身を確認して下さい。

そして、裁判所から送られてきた封書の中には、支払督促状と一緒に「異議申立書」が同封されていますので、「本件支払督促には不服があるので異議申立てする。」と記載の上、裁判所へ返送して下さい。

次に、異議申立てをした後の手続きですが、適法に異議申立てがなされた場合、事件は通常訴訟へ移行します。

しかし、債権者の側からすると、明確な証拠なくして支払督促を申し立てるということは通常考えにくいですので、通常訴訟に移行した後も、債務者の側で応訴しこれに勝訴するということは望めないでしょう。

ですので、異議を申立てた後は、訴外で交渉(任意整理)をするか、あるいは債務者の財産状況に鑑みて個人再生や個人破産を検討するということになります。

その段になりますと、おそらく弁護士が対応しなければ困難な状況であろうと思われます。 したがって、まとめますと、裁判所からの支払督促を受け取った場合、①異議申立期間にまだ余裕があるのであれば、当該支払督促状を持参の上弁護士に相談する、②弁護士に相談する時間的猶予がない段階であれば、ご自身で異議申し立てを済ませ、やはりその後弁護士に相談する、という流れになると思われます。

いずれにせよ、放置だけは厳禁です。 ある日突然裁判所から支払督促の特別送達を受けた場合は、神戸で債務整理35年を超える実績のシャローム綜合法律事務所までご相談下さい。

Q10.破産債権とは?

自己破産を検討して色々とネットで調べられたり、あるいは法律事務所に相談に行かれた際、「破産債権」や「破産債権者」といったワードを耳にするかと思います。ここでは、よく聞くけれども、正確には理解していない「破産債権」についてご説明させていただきます。

まず、破産債権とは、破産者に対し、破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権であって、財団債権(財団債権についてはまたの機会にご説明します。)に該当しないものをいいます(破産法2条5項)。 そして、この破産債権は、①破産手続外での権利行使が禁止され(100条1項)、②調査・確定手続を経た破産債権につき、破産手続への参加資格(配当受領と議決権行使)が認められます(100条1項)。

定義だけをみるとよく分かりませんが、ここでポイントとなるのは、破産債権は、上記のとおり「破産手続開始前の原因に基づいて生じた」ことを要件とされていますので、破産手続開始後の原因に基づいて発生した債権はこれに含まれないということです。すなわち、法は、破産財団(破産者に属する財産のことです。)帰属財産の範囲を、破産手続開始時点におけるものに限定しており、これを「固定主義」といいます。

なぜ固定主義を採用しているのか。それは、破産手続開始決定時を基準とすることで、引当財産としての債権者の期待の合理性と、破産手続開始の前後を区分することによる新旧債権者の公平な処遇を目してのことです。また、破産者に手続開始後の新得財産(後述します。)を保持させ、経済的再起更生の機会を与えることにもつながります。更に、換価対象が限定されるため、破産手続の迅速化にも資するという側面もあります。

破産債権とされるものには、様々なものがあります。既に延滞状態となっている通常の貸金債務は分かりやすいですが、それ以外にも、弁済期未到来・条件成就未確定のものや金銭債権以外のものも含まれます。これらにつき、破産手続による配当という目的実現のため、現在化・金銭化(これらを併せて「等質化」といいます。)がなされ、金銭という形に変換されます。すなわち、未到来の期限付債権は、破産手続開始の時に弁済期が到来したものとみなされ(現在化(103条3項))、金銭の支払いを目的としない債権は、破産手続開始時を基準に評価されます(金銭化(103条2項1号イ))。

また、破産債権の中にも種類があり、それらの間には優先順位が存在します。すなわち、破産手続は、破産者の総財産を換価・配当するということを最終目的として、僅少な財産を分配するものですから、厳格な順位付けが行われ、配当を現実に受けうる債権と、そうではない債権とを峻別します。

具体的には、配当を受ける順位区分に従い、優先的破産債権、一般破産債権及び劣後的破産債権に分けられます。破産配当原資は、まず優先的破産債権に配当がなされ、残余があるときには一般破産債権に、そして更に残余があるときには劣後的破産債権、そして約定劣後的破産債権に配当されます(194条1項)。

もっとも、自己破産を検討されている方にとっては、ここまで詳しい知識は不要な場合がほとんどであるといえるでしょう。なぜなら、同廃手続により免責を受けることを目的とする場合、そもそもの配当原資が存在しないからです。つまり、一般破産債権者にも配当がなされないわけです。

なお、それぞれの破産債権の一例を挙げておきますと、雇用関係に基づく労働債権は、債務者の総財産について先取特権を有するため、財団債権とされる部分を除き、優先的破産債権となります。また、租税債権は、一般の優先権ある債権ですので、破産手続開始前の原因に基づいて発生した租税債権のうち、破産法148条1項3号所定以外のものは、原則として優先的破産債権となります。

以上については、難解な法律の読み込みが必要ですので、皆様におかれましては、にわかに理解することはなかなか困難であろうかと思われます。ただ、押さえておいていただきたいのは、上述の「固定主義」に基づいて、法は、破産者に手続開始後の財産(これを新得財産といいます。)の保有を認め、破産者の生活の維持、経済的再起更生を認めているという点です。ですので、破産手続開始後に取得したお給料は債権者への返済に充てる必要はありません。あくまでも、破産手続開始前の原因に基づいて発生した債務につき、破産手続の中で処理がなされるという理解です。

より詳しい解説が必要な方は、神戸で債務整理35年の実績のシャローム綜合法律事務所までお問い合わせ下さい。

Q11.自己破産の管轄とは?

自己破産はどの裁判所に申し立てればよいのでしょうか。弁護士に事件を依頼する場合、この点につきご相談者が考える必要はあまりありませんが、例えば申立の前後で引越し(転勤)の予定がある場合などは、一応確認しておく必要があるでしょう。

結論からいいますと、個人の破産の場合、「債務者の住所地を管轄する地方裁判所」が、破産事件の管轄裁判所となるのが原則です。原則、というからには例外があり、例えば関連土地管轄(5条7項)などが挙げられますが、ここではそこまで踏み込みません。

申立書には、本籍の記載のある世帯全員の住民票の添付が必要となりますが、この住民票登録がある住所を管轄する地方裁判所に申立てを行うことになります。根拠条文は長いですのでここでは引用しませんが、破産法5条に管轄についての規程が置かれています。

なお、管財事件となった場合、破産手続が終了するまでの間、引越しをする場合には裁判所の許可が必要となります(37条)。管財事件は同廃事件に比して、手続終了までに時間を要するところ、資産の換価処分の際に、無断で住所が変更されると手続が煩瑣になるため、裁判所の許可を必要とされています。なお、同時廃止の場合は、住居に関する制限はありません。

余談ですが、やはり裁判所(支部)によって審理が厳しい(緩い)ということがあるように思えます。厳しい裁判所の場合は、申立内容に不明・不可解な点があるときなど、債務者自身が裁判所への出頭を求められて直接裁判官から話を聞かれるということもあります。ただし、そのような場合も、代理人弁護士が同行いたしますのでご安心下さい。

債務整理でお困りの方は、神戸で債務整理35年を超える実績のシャローム綜合法律事務所までご相談下さい。

Q12.債務の相続とは?

相続が発生すると、相続人は、被相続人(亡くなった方です。)が負っていた債務も承継することになります。

民法では、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」(896条)と規定されていますので、プラスの財産のみならず、マイナスの財産もこの「一切の権利義務」に含まれ、承継されるということになります。「負の遺産」という言葉は、日常用語でも使われると思います。

さて、その場合、相続人は、被相続人の作った借金を自己の債務として返済していかなければなりません。相続人が複数いる場合は、遺産分割を経ることなく、各共同相続人がそれぞれの法定相続分に応じて債務を分割して負担することとなります。

相続人としては、「自分が作った借金じゃない」と言いたくなる気持ちも分かりますが、だからといって債権者からの督促を無視していると、後々やっかいなことになるおそれがありますので、やはり適切に対処すべきです。

どのような対処が必要でしょうか。まず、被相続人の債務につき調査することから始めましょう。請求書等の郵便物がないかチェックをするのと並行して、故人が債務を負っていたことを知っている場合は、信用情報機関に問い合わせるなどして調査を進めましょう。もし故人が事業をされていたのであれば、税理士に問い合わせることによって情報が得られます。得られた情報をもとに、債権者リストを作成しておくと便宜です。

そして判明した負債が、プラスの財産よりも少ない場合であれば、相続してしまって相続財産から債権者へ弁済するということで解決する場合もあるでしょう。しかし、逆にマイナスの財産の方がプラスの財産よりも大きいという場合には、相続放棄の手続きを考えることになります(「限定承認」という手続きもありますが、使い勝手がよいとはいえないため、あまり利用されていません。)。

気をつけなければならないのは、相続放棄は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から三か月以内」にしなければならないという点です(915条1項)。放置していると、あっという間に相続放棄の申述期間が過ぎてしまいます。とすると、もはや相続放棄ができなくなり、被相続人の債務を全てかぶらなければならないといった事態になってしまいます。

しかし、「たった三か月の期間で被相続人の債務を調査できるはずがない」とお思いの方もいらっしゃるでしょう。これに関しては、古い判例がありますので引用しておきます。

「被相続人に相続財産が全く存在しないと信じるにつき相当な理由があると認められるときには、本条(民法915条)の熟慮期間は、相続財産の全部又は一部の存在を認識した時又は通常これを認識し得べき時から起算する。」(最判昭和59年4月27日)

かかる考えを参考にして、調査の結果、被相続人の債務が判明してからまだ三か月は経過していないと家庭裁判所には説明することになるでしょう。 万が一相続放棄が認められないという場合は、相続人ご自身の債務整理の問題へとシフトしていくことになります。

相続放棄に関してのご相談は、シャローム綜合法律事務所までご相談下さい。

Q13.清算価値とは?

個人再生を利用する場合、結局のところ、債務はいくらまで減額されるのでしょうか。

結論としては、「最低弁済額」と「清算価値」のうち、金額の多い方が、あなたが弁済しなければならない額ということになります(給与所得者等再生の場合は、可処分所得の2年以上という基準も出てきます。この点については、また別の機会にご説明します。)。

最低弁済額に関しては、債務の額(住宅ローンを除きます。)に応じて、最低いくら払わねばならないという金額が民事再生法により決められています(231条2項3号、4号)。具体的には、次のとおりです。

(借金の総額)    (最低弁済額)

100万円未満       借金の総額と同じ

100万円~500万円未満  100万円

500万円~1500万円未満  借金の総額の5分の1

1500万円~3000万円未満  300万円

3000万円~5000万円未満  借金の総額の10分の1

 

この最低弁済額よりも、次の清算価値の方が高額になる場合には、その清算価値を弁済していくということになります。

すなわち、清算価値とは、現預金・生命保険の解約返戻金・自動車の査定額・退職金見込み額の8分の1・その他20万円以上の財産などを合計して算出します。

ここで、なぜこのような清算価値といった概念が生じるのかにつき説明します。 個人再生手続をとると、債権者の立場からすると、自己の持つ債権が相当額減額されてしまい、また支払方法も、長期の分割払いへの変更を余儀なくされます。

一方、債務者の立場からすると、破産と異なり、財産の換価処分は必要とされません(住宅資金特別状条項を用いると、マイホームも手放さずに済みます。)。 そのような構図となりますので、もし債務者が多額の財産を所有しているにもかかわらず、それを処分しないまま大幅な債務の減額等が認められるとしたら、到底債権者の理解は得られないこととなります。債権者としては、個人再生手続の中で再生計画に沿って弁済される金額以上の財産があるのであれば、債務者には個人破産を利用してもらって配当を得たいと思うはずです。

そこで、個人再生に対する債権者の理解を得るために、少なくとも、破産した場合の配当率(破産債権額に対する実際の配当額の割合のことです。)以上の弁済率での弁済が必要であるとされているのです。このことを指して、清算価値保障原則といいます。

ご相談者の中には、当初お聞きしていた事情と異なり、生命保険を複数かけていたことが後ほど判明し、その解約返戻金がかなりの高額に及んで清算価値が跳ね上がったため、再生計画案の見直しを迫られるという方がおられます。ご相談の初期から、ご自身が所有している財産関係につき正直にご回答下さい。

個人再生をご希望の方は、神戸で債務整理35年を超える実績のシャローム綜合法律事務所までご相談下さい。

Q14.家族に知られずに破産ができる場合とは?

ご家族に借金のことを打ち明けられずに一人で悩まれている方も多いでしょう。孤独は精神状態を悪化させます。あまりご自身を追い込み過ぎないようにして下さい。たしかに、「破産のことを妻(夫)に言ってしまうと離婚になってしまう。」というご相談者も多く見られます。それでは、家族に内緒で破産することは可能なのでしょうか。

神戸地裁第3民事部の場合は、標準資料として、「世帯単位」の家計収支表の提出が求められ、そのエビデンスとして、同居人の所得証明書(又は源泉徴収票)や給与明細のほかに、電気、ガス、水道、電話の領収証(又はこれらが引落しされている場合はその引落口座の通帳の写し)を提出しなければなりません。これらの資料があれば、同居の家族に知られずに破産することも不可能ではないといえます。

さて、所得証明に関しては、同居の親族であれば委任状なくして取得することが可能ですが、給与明細等は目を盗んで取得することは可能でしょうか。また、裁判所から同居の親族のより詳細な収入関係の資料を提出せよとの指示があった場合は、事情を説明して取得が困難である旨を説得しなければなりません( もっとも、配偶者が働いていないか、あるいは別居している場合には提出する必要はありません。)。また、水光熱費の引き落とし口座の通帳を持ち出してコピーを取ることは可能でしょうか。相当に気力のいる作業になることと思われます。 そして、裁判所の関係でのかかる障害をクリアしたとしても、債権者の方から自宅に督促の電話がかかってきて、債務の存在が発覚してしまうこともあります。この点に関しては、弁護士が介入通知を発送することでストップすることができますが、介入通知により督促を止めることができるのは、貸金業者とサービサーに限られますので、それら以外の債権者からの督促により家族に借金を知られてしまうこともあるでしょう。あるいは、介入通知によっても訴訟の提起は止められませんので、ある日突然訴状が届いて家族にばれてしまうといった事態も想定できます。 また、破産免責の事実は官報に掲載されますので、かかる情報から家族に知られてしまうという可能性もゼロとはいえません(あまり考えられませんが。)。 あるいは、配偶者が連帯保証人になっている場合は、破産の申し立てをすると、配偶者の方へ請求が行きますので、そのことにより家族に発覚してしまうということも想定できます。 以上からすると、結論としては、やはりご家族とよく話をした上で、破産手続に協力してもらう方が良いということになるでしょう。それに、仮に家族に内緒で免責を受けたとしても、ご家族の経済的認識(浪費傾向にある場合など)を変える契機に欠けるならば、やはりまたその後、従来どおりの経済苦が続いてしまい、本当の意味での再出発を図ることができないのではないかとも思われます。 とはいえ、「とにかくそのような話し合いができる状態ではない!」という方もおられるでしょう。たしかに、きれいごとだけを言われても事態は全く改善しません。 上述したような各種ハードルがありますので、「絶対に家族に内緒で破産できる。」などとは決してお約束することはできませんが、当事務所では、ご相談者の現在置かれている状況を最大限考慮の上、最適な解決法をご提案させていただきます。実際に、家族に内緒で免責を受けることに成功した方も多数おられます。ぜひご事情をお聞かせ下さい。 どうしていいかわからないとお悩みの方は、神戸で債務整理35年を超える実績のシャローム綜合法律事務所までご相談下さい。

Q15.住宅資金特別条項の内容とは?

住宅資金特別条項付個人再生を申し立てた場合、その後具体的にどのようにして住宅ローンを返済していくことになるのでしょうか。ここでは、住宅資金特別条項の内容につきご説明します。

① 約定型(原則) 個人再生申立の影響を何ら及ぼさず、当初契約したとおりの支払を継続する方法です。「約定型」といわれるもので、これが原則となります。 債務者の方も、他の借入については滞納状態にあるが、住宅ローンに関しては優先的に支払っており未だ滞納がないという方が多いですので、その場合、これまでどおりの支払が可能なのであれば、支払方法の変更はせず、約定どおりに支払っていくということになるでしょう。 以下は、約定型では返済が困難な場合に、住宅ローンの支払方法を変更する内容の条項となります。民事再生法は、4つの方法を規定しています(199条)

② 期限の利益回復型(1項) 既に住宅ローンの滞納がある場合です。すなわち、住宅ローンの支払いを怠り、その滞納の回数が契約に定めている回数を超えてしまうと、以降は分割払いを続けていくことは認められなくなり、残債につき一括で請求がなされることとなります。このことを「期限の利益の喪失」といいます。 このような場合に、期限の利益回復型の住宅資金特別条項をつけた再生計画を認可してもらい、滞納をなかったことにして、再度住宅ローンの支払いを分割で継続していくことができます。

③ リスケジュール型(弁済期間延長型)(2項) 期限の利益回復型では再生計画認可の見込がない場合には、住宅資金貸付債権の弁済期間を当初の契約で予定されていたよりも最長で10年まで伸ばすことができます。元本・利息損害金全額の支払いを必要とし、約定最終弁済期後の最終弁済期において、債務者が70歳を超えないことが必要となります。また、延長後の支払い方法(弁済間隔及び弁済額)が、当初の契約内容に概ね沿う内容であることも必要です。

④ 元本猶予期間併用型(3項) 期限の利益回復型でも、リスケジュール型でも再生計画認可の見込みがない場合です。支払い期間の延長に加えて、一定の期間、住宅ローンの返済額を減額してもらうことになります。すなわち、他の再生債権への弁済期間中は住宅資金貸付債権の元本の一部と利息のみの支払に注力することにより再生計画の履行を容易にし、晴れて履行を完了した後に、住宅資金貸付債権への弁済に注力する内容の条項です。

⑤ 同意型 上記の3つの類型以外の条項を作成するには、住宅資金貸付債権者の個別の同意が必要となります。たとえば、約定最終弁済期から10年を超えて住宅資金貸付債権に係る債務の期限を猶予したり、元利金の減免、あるいは70歳を超えての弁済を認める、などといった内容が考えられます。 以上の内容で住宅資金特別条項を決定しなければなりません。 ところで、再生債務者は、住宅資金貸付債権者とこれらにつき事前協議をしなければなりませんが、約定型の場合には、手続代理人の方から通知を送る段階でその旨を連絡しておけば足ります(なお、住宅金融支援機構のローンをご利用の場合には、定型の質問書が事務所宛てに送られてきます。)。約定型以外の条項内容が必要となる場合には、住宅資金貸付債権者の協力が必要ということになります。 以上につき、より詳しく説明をお聞きになりたい方は、神戸で債務整理35年を超える実績のシャローム綜合法律事務所までお問い合わせ下さい。

Q16.住宅資金特別条項の要件とは?

債務整理を考えているが、マイホームはどうしても手放したくないという方に向けて、住宅資金特別条項の要件につき、ご説明をさせていただきます。 住宅ローン以外にも債務があるという場合、自己破産を選択すると、住宅ローンやその他の債務は全て消滅しますが(免責)、当該住宅は処分してしまわねばなりません(担保権者による競売や、任意売却などによって処分されます。)。しかし、生活の本拠を失ってしまっては、十分に債務者の経済的再起更生を図ることができるとは言えません。頑張って住宅ローンを払い続けてきたマイホームを手離すことはとても悲しいことですし、お子さんがいる場合には学区の問題等により転校を余儀なくされてしまうかもしれません。 そこで、個人再生手続には、住宅ローンは従来どおり(又は若干の変更により)支払を継続し、自宅を手元に残したまま、住宅ローン以外の債務を減額して分割払いにすることができる制度があります。これが「住宅資金特別条項」「住宅ローン特則」などと呼ばれるものです。この住宅資金特別条項は、小規模個人再生の場合でも、給与所得者等再生の場合でも利用することができます(もっとも、逆に言いますと、個人再生が可能であることが前提となっていますので、当然ながら、安定した定期収入が見込める方でなければ利用できません。)。 住宅資金特別条項は,住宅ローンにつき従来と同様(又は若干の変更)に支払うことにより、住宅という大きな財産を残しておけるという非常に債務者に有利な制度であることから、その要件は決して緩くありません。以下、住宅資金特別条項を利用するための要件を列挙します。ご自身が該当するかご確認下さい。

① 個人である再生債務者が所有し、自己の居住の用に供する建物であること(民事再生法196条1号) ただし、床面積が2分の1に満たない部分であれば、共有名義や居住以外の用途が含まれていても問題ありません。また、要件を満たす建物が複数ある場合には、そのうち再生債務者が主として居住の用に供する建物一つのみが対象となります。複数の建物を残すことはできません。なお、あくまでも居住の用に供する建物が対象ですので、事業用の建物は残せません。

② 住宅について、住宅資金貸付債権又はこの債務についての保証会社の求償権を担保する抵当権が設定されていること(196条3号) まず、ここにいう住宅資金貸付債権とは「住宅の建設若しくは購入に必要な資金(住宅の用に供する土地又は借地権の取得に必要な資金を含む。)又は住宅の改良に必要な資金の貸付けに係る分割払の定めのある再生債権であって、当該債権又は当該債権に係る債務の保証人(保証を業とする者に限る。以下「保証会社」という。)の主たる債務者に対する求償権を担保するための抵当権が住宅に設定されているものをいう。」とされています。 条文だけを読むと分かりにくいですが、平たく言えば、住宅ローン等の借入を原因として、貸主や保証人のために当該住宅に抵当権を設定していることが必要です。当然ながら、分割払いであることも必要です。なお、住宅の購入に必要な資金だけでなく、リフォーム代などもここに含まれます。また、住宅ローンの借り換えも該当します。 ここで注意しなければなりませんが、住宅資金貸付債権以外の債権を原因とする(例えば事業者ローンなどです。)別除権として処遇される担保権が存在する場合には、住宅資金特別条項は利用できません。なぜなら、その場合、当該別除権の実行により住宅を失う可能性があり、本特則を適用しても無意味となるからです。同様に、税金を滞納している場合などは、滞納処分がなされる可能性があるため、住宅資金特別条項を利用することが困難となります。 ③ 保険会社が住宅資金貸付債権に係る保証債務を履行したことによって代位が生じたときは、保証会社がその全部を履行した日から6月を経過する日までの間に再生手続開始の申立てがなされたこと(198条2項) これは、いわゆる保証会社の代位弁済と「巻戻し」と呼ばれる事項です。 すなわち、債務者の不履行により保証会社が代位弁済した場合、代位弁済の効果を認めた上で住宅資金特別条項を設定すると、保証会社に対しても期限の利益回復や期限猶予といった効力が及び、保証会社は長期間に渡る弁済を受けることになります。しかし、通常、保証会社は、求償権を担保する抵当権の実行によって短期間に債権を回収することを想定しています。一方で、住宅資金貸付債権者にとっては、再生計画が履行される限り、従前以上の危険を負担することはありません。そこで、住宅資金特別条項を定めた再生計画案の認可決定が確定したときには、当該保証債務の履行はなかったものとみなし(204条1項本文)住宅資金特別条項の当事者を再生債務者と住宅資金貸付会社とすることで法律関係を「巻き戻す」こととされているのです。 この場合、保証債務が復活するわけですから、代位弁済金は、住宅資金貸付債権者から保証会社に対して不当利得として返還されることとなりますが、保証会社をこのような不安定な立場に長期間置くことは相当ではないため、代位弁済から6ケ月という時的限界が設定されているのです。このような要件がありますので、代位弁済が既になされている場合、住宅資金特別条項を利用しての個人再生を考えておられる方は、迅速に申立を行う必要があります。 以上のとおり、住宅資金特別条項を利用するためには各種要件があり、なかなかに複雑です。弁護士でなければ要件該当性の判断が難しいことと思われますので、マイホームを手離すことなく債務整理をしたいとお考えの方は、神戸で債務整理35年を超える実績のシャローム綜合法律事務所までご相談下さい。

Q17.自由財産とは?

自己破産をした場合、不動産を手離したり、所有権留保付の車を引き揚げられたりしてしまいますので、自己の手元に財産が一切残らないと思われている方もおられるかもしれませんが、そのようなことはありません。ここでは、自己破産しても処分しなくてもよい財産である「自由財産」につきご説明します。

自己破産を申立てて、無事に免責を得たとしても、あらゆる財産の処分を強制され、その後の生活がままならないのだとすると、破産者は経済的再起更生を図ることができません。それでは、破産をした意味が不十分となってしまいます。

そこで、個人破産の場合には、生活に必要となる最低限度の財産(または破産手続上換価ができない財産)については、仮に自己破産したとしても、処分しなくてよいこととされています。この財産のことを、「自由財産」といいます。それでは、自由財産には、具体的にどのようなものが含まれるのでしょうか。

① 新得財産

破産手続開始後に破産者が新たに取得した財産は、破産財団に組み入れられません。この破産者が破産手続開始後に新たに取得した財産のことを「新得財産」といいますが、これも自由財産の1つです。

② 差押禁止財産

法律上差押えが禁止されている財産(差押禁止財産)も自由財産となります。差押禁止財産には、様々なものがありますが、主たるものは、民事執行法に規定されている「差押禁止動産」や「差押禁止債権」です。 差押禁止動産とは、その名のとおり、差押えが禁止されている動産です(131条)。生活に欠くことのできない衣服、寝具、家具、台所用具等が差押禁止動産とされています。

差押禁止債権とは、これもその名のとおり、差押えが禁止されている債権です。給与の一部以外にも、特別法上、年金、労災保険、失業保険、生活保護受給権なども差押禁止債権とされています。

③ 99万円までの金銭

また、99万円までの金銭も自由財産とされています(破産法34条3項1号)。なお、ここにいう「金銭」とは、「現金」のことです。預貯金はここにいう「金銭」には含まれません。

④ 自由財産の拡張がなされた財産

前記の3つ(新得財産・差押禁止財産・99万円以下の現金)は、「本来的自由財産」と呼ばれており,自由財産となることが確実な財産です。

しかし、これら本来的自由財産を残しただけでは、破産者の最低限度の生活を維持することができないという場合もあります。そこで、本来的自由財産ではない財産であっても、裁判所の決定によって、自由財産として取り扱うことができるという制度が設けられています。この制度のことを「自由財産の拡張」といいます。この拡張が認められた財産は、自由財産として処分を免れるということになります。裁判所は、破産者の生活の状況、破産手続開始時に破産者が有していた自由財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、自由財産の範囲を拡張することができます。例えば、経年劣化の激しい自動車は、その価値に照らし、自由財産となる余地があります。すなわち、申立代理人弁護士としては、破産者が抱える個別的事情(介護等のために必要不可欠等)や地域特性(公共交通機関が乏しい等)を上申し、裁判所による弾力的な運用がなされることを求めます。

⑤ 破産管財人によって破産財団から放棄された財産

破産手続においては、自由財産に当たらず、破産財団に組み入れられることになった財産であっても、処分費用が高額になるだとか、または買い手がつかないなどといった理由から,容易に換価処分ができない財産というものがあります。このような場合、破産管財人は、裁判所の許可を得て、換価処分が不可能ないし困難な財産を破産財団から除外する措置をとることができます。この破産財団から放棄された財産も,それ以降は自由財産として扱われることになります。よくある例としては、居住していたマンションの一室がどうしても買い手がつかず、債権者集会を複数回経ても今後の売却が望めないという場合、最終的に破産管財人が破産財団から放棄するということが挙げられます。その場合、放棄された物件は破産者の手元に戻りますが、多くの場合、抵当権が実行されて競売にかけれらるという流れになるかと思われます。

以上のように、自由財産という破産財団に属しない自由に使用・収益・処分ができる財産があります。特定の財産につき、自由財産拡張の申立ができないだろうかというご相談をお持ちの方は、神戸で債務整理35年を超える実績のシャローム綜合法律事務所までお問い合わせ下さい。

Q18.破産手続開始の申立権者とは?

「自己破産」という言葉があるぐらいですから、債務者自らが破産手続開始の申立権を有していることは明らかです。 しかし、この他にも、破産を申し立てることのできる当事者は存在します。

① 法人の理事・取締役・清算人等による申立を、「準自己破産」といいます(破産法19条)。なお、法人の内部紛争による濫用的申立てを抑止するため、破産手続開始原因の疎明が必要とされています。

② 債権者も、破産手続開始申立権を有します(18条1項)。 この債権者とは、破産手続開始後に「破産債権者」となる者をいいます。債権者が破産手続開始の申立てをするときは、自己の債権の存在と破産手続開始原因事実の存在を疎明しなければなりません(18条2項)。これは、弁済の間接強制目的(「破産手続開始を申立てられたくなければ、早く返済しろ。」という主張のことです。)等による申立権の濫用を排除する趣旨だと解されています。

このように、債権者も破産手続開始申立てをすることができますので、大規模な消費者被害事件の場合などは、加害者である会社の資産散逸を防止し、破産手続のルートで配当を得るべく、債権者申立てがなされることがありますが、そのハードルはなかなかに高いものがあります。

まず、債権者(被害者)は、先に述べた破産手続開始原因事実の存在の疎明しなければなりませんが、当該会社の財務内容につき把握することが困難です。

また、債権者の破産申し立ては、負債額に比例する「予納金」を債権者が立て替えなければなりませんが、多額の負債を抱える会社の予納金は時に高額に上る可能性があり、これを誰が負担するかという問題も発生します。

債権者申立てのお問い合わせがおありの方は、神戸債務整理35年を超える実績のシャローム綜合法律事務所までご相談下さい。

Q19.家計収支表とは?

破産の申し立てをする際には、申立書に添付する書類として、家計収支表の提出が求められます。神戸地裁では、申立前2か月分の家計収支表が必要となります。この家計収支表とは何なのでしょうか? 平たく言えば家計簿なのですが、家計簿のように、毎日かかさず細目を記載することまでは求められていません。当該月毎に、その一か月にかかった住居費・食費・電気代・ガス代・水道代・電話料金・保険料・医療費等々の支出の総計を記載すれば足ります。 とはいえ、自己破産の申立てを検討している方々は、家計の管理ができていないことが多いでしょうから、突然家計収支表を作成するように言われても、なかなか勝手がつかめないことがほとんどでしょう。そこで、当事務所では、受任したその月から練習で家計収支表をつけていっていただくようお願いして、家計収支表の用紙をお渡ししております。受任から申立までの間には、通常3か月から4か月程の期間が必要となりますので、その間にも家計収支表をつけていただいて、もし分からないことが出てきましたらその都度お問い合わせいただき、申立前2か月分の家計収支表をきちんと作成するお手伝いをさせていただきます。 さて、この家計収支表ですが、不実の記載をしますと、裁判所の調査に対して「虚偽の説明」をしたとして、免責不許可事由となってしまいます(破産法252条1項8号)。また、「資産隠し」と捉えられて、最悪の場合、詐欺破産材として処罰される恐れもあります(同265条1項)。ですので、たかが家計簿とあなどってはならず、きちんとした内容のものを作成・提出する必要があります。ですので、水光熱費等の領収書は処分せずに保管しておいて下さい(写しを提出する必要があります。)。また、(あまり想定できませんが)大きな買い物をした場合や、逆に貸していたお金が返ってきた場合等は、その根拠資料が必要となります。とはいえ、すべての領収書を保管するのも手間ですし、その必要はありません。具体的にどのような資料が必要となるのか、どの程度の詳細な記載が求められるのかについてお知りになりたい方は、シャローム綜合法律事務所までお問い合わせ下さい。

20.破産管財人とは?

破産手続における機関としては、裁判所の他、破産管財人、保全管理人、債権者集会、債権者委員会などがあります。民事再生手続においても管財人は存在しますが、これは任意的なものにとどまります。一方、破産手続においては管財人は必置の期間となります(ただし後述のとおり、同廃事件を除きます。)。 皆さんが破産を検討する際、同廃事件となるか管財事件となるかにつき大きな興味を有することと思われます。裁判所によっても(あるいは裁判官によっても)基準が区々である感は拭えませんが(なお、裁判所より一定の基準は示されています。)、トートロージー的ではありますが、破産管財人をつけて財産の調査をすべきと裁判所が判断した事件が管財事件とされるということになります。 例えば、給与所得者と異なり、個人事業主の場合は、その経済的実体を調査する必要性が高いですので、原則として管財事件となるでしょう。また、不動産を所有している場合には、原則として管財事件となります(もっとも、オーバーローンの場合、1.5倍ルールにより同廃となることはあります。)。 管財事件の場合、裁判所は、破産手続開始決定と同時に破産管財人を選任します(破産法31条1項柱書、74条1項)。破産管財人の職務は多岐に渡りますが、大雑把に言いますと、破産財団の管理・調査、確定、換価、配当といった一連の流れに沿った管財業務を行うことになります。 破産管財人は、裁判所が選任した弁護士です。申立人は、申立代理人(破産事件を受任した弁護士です。)と一緒に破産管財人の事務所へ行きます。その際に、申立書記載内容につき質問をされたり、追加で提出が必要な資料の指示等を受けます。(もちろん弁護士によりますが)この時点でこっぴどく叱られたりということはありませんのでご安心下さい。分からないことがありましたら、代理人弁護士がフォローさし上げます。誤解を恐れずにみなさんに分かりやすく申し上げますと、破産管財人は、基本的には裁判所と同じだと思っていただいてもよいかもしれません。 その後、債権者集会までの間、継続して破産管財人が財産調査を行い、不当な出金があった場合にはこれの破産財団への繰り入れを求められたり、あるいは否認権を行使したりして破産財団の増殖に努めます。不動産がある場合にはこれを売却するのも破産管財人の職務です。 管財業務が簡単に終了する場合には、第一回債権者集会で事件終了ということになりますが、複雑な事件の場合には、続行という形になり、二回、三回、と債権者集会が継続することもあります。 以上のように、破産管財人がついた場合、免責を得るまでの間の手続きが多く、また時間的な負担となることは否定できません。また、より切実な問題として、破産管財人へ支払う費用も発生しますので(事案により20万~30万程度を求められます。)、これを捻出できないことには申立自体ができないという事態に陥ってしまいます。 管財事件ではなく同廃事件として申し立てられないかといったご相談にも応じさせていただきますので、お困りの際は当事務所までお問い合わせいただければと思います。

Q21.自己破産のデメリットは?

破産をすると、「選挙権がなくなるのではないか」とか、「戸籍に破産したことが記載されてしまうのではないか」などといった噂を信じている方がいらっしゃいますので、ここでは自己破産のデメリットについてご説明させていただきます。 まず、選挙権もなくなりませんし、戸籍にも載りませんし、年金の受給権がなくなることもありませんのでご安心下さい。破産したことを理由に会社を解雇されることもありません。 それでは、自己破産のデメリットは何かといえば、主なものとして以下のものが挙げられます。 ① 信用情報(ブラックリスト)への登録 自己破産をすると、7年から10年ほどは、新たに借り入れができなくなります。ローンが組めないだけでなく、クレジットカードも作れません。なお、ブラックリストの詳細については、こちらをご覧下さい。 ② 官報公告 官報(かんぽう)とは、法律の制定や改正といった情報が掲載されている国発行の新聞のようなものです。この官報には、破産や相続等の裁判内容も掲載され、破産者の住所と氏名が掲載されますので、官報を見た人間に破産の事実を知られてしまう可能性がないとはいえません。とはいえ、官報には毎日(官報は国立印刷局が、行政機関の休日を除き毎日発行しています。)数百人もの人間の情報が掲載されていますので、よほど運が悪くない限り、ピンポイントであなたの情報が知人の目に留まるということは少ないといえます。なお、この情報をもとに、闇金業者からDMが届くことがありますので、一切相手にしないようにして下さい。せっかく免責を受けたにも関わらず、また借金漬けの日々に後戻りしてしまうおそれがあります。ちなみに、個人破産の場合、官報には、開始決定の約2週間後と免責決定の約2週間後の2回載ることになります。 ③ 職業制限 一部の職業につき、就くことができなくなります。すなわち、破産開始決定から免責決定を受けるまでの間は、保険の外交員、警備会社の警備員等、一部就けない職業がありますので、これらのお仕事をされている方にとっては、大きなデメリットといえます。ですので、その場合は、個人再生や任意整理等、方針転換が必要となるでしょう。なお、時々ご相談いただくのが、古物取引商の資格についてです。結論として、古物商の仕事は、破産による職業制限の対象です。リサイクルショップや、ネットオークションを「業」として行っている方は、当該資格を取り消されるおそれがありますのでご注意下さい。ただし、管掌している公安委員会による資格の取消は任意ですので、必ずしも破産したからといって取消がなされるとは限りません。 ④ 保証人への請求 破産の申し立てをすると、保証人の方へ請求がなされます。破産者が無事に免責を受けたとしても、それは破産者限りの効力であって、保証人の債務が消滅するわけではありません。「保証人に迷惑をかけたくない」という理由で破産に二の足を踏むという方は多くみられます。 さて、以上のようなデメリットが個人破産にはあります。しかし、免責を受けて経済的再起更生をはかれるという大きなメリットがあることも確かです。あまりにもネガティブな側面にばかり目が行ってしまい破産を選択することに躊躇してしまうのもナンセンスです。いずれにせよ、ネット上に出回っている噂などに惑わされることなく、メリット・デメリットについての正確な情報を入手し、ぜひ適切な選択をしていただきたいと思います。「どうしていいかわからない」という方は、神戸で債務整理35年を超える実績の当事務所までご相談下さい。

22.給与所得者等再生手続とは?

従来、(改正前)民事再生法は、法人を念頭に置いた規定でしたので、個人が申立をすることは稀でした。しかし、そうだとすると、債務が膨らんだ個人は、最悪破産手続しか取り得る手段が残されていないということになり、住宅を手離す必要がありました。そのため、個人が破産以外の方法で経済的再起更生を図るための法整備の必要が認識され、平成13年より個人再生の手続きが法定されました。 個人再生には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」という二種類の手続が用意されています。もっとも、主に利用されているのは小規模個人再生ですので、皆様が法律事務所に相談に行かれて個人再生の打合せを行う場合には、主として小規模個人再生の手続きを前提とされていることと思われます。 それでは、なぜ小規模個人再生の方が給与所得者等再生よりも利用されているのでしょうか。平たく言えば、前者の方が後者よりも弁済すべき額が少なくなるからです。 すなわち、小規模個人再生の場合は、最低弁済額と清算価値の内、より高額な方の金額が弁済すべき額となりますが、給与所得者等再生の場合は、これらに加え、「可処分所得の2年分」という基準が加わります。具体的には、定期収入から税金等を差し引いて返済に充てられる最大限の金額(これを「可処分所得」といいます。)を算定し、その2年分が返済金額となります。そして、給与所得者等再生の返済金額は、必ず小規模個人再生で返済することになる金額よりも高額でなければならないとされています。 したがって、返済額という点からすると、小規模個人再生の方が給与所得者等再生よりも有利となります。 また、収入要件に関しても、給与所得者等再生の場合は、小規模個人再生の収入要件(継続性又は反復性)に加え、定期収入の額の変動幅が小さいと見込まれることが必要です(239条1項)。この点でも、小規模個人再生の方が要件が緩いためメリットが大きいといえます。 それでは、なぜ給与所得者等再生などという制度が存在するのかというと、再生計画案の決議の点で違いがあるのです。 すなわち、小規模個人再生においては、再生計画案に対して再生債権者による決議が行われ、この決議が否決されると、再生手続は廃止されます。具体的にいいますと、再生債権者の頭数の半数以上又は再生債権額の過半数の反対・異議があると、再生計画が認可されないのです。 これに対し、給与所得者等再生の場合は、再生債権者による決議は行われません(もっとも、決議はありませんが、給与所得者等再生の場合でも、再生計画の認可・不認可について意見を述べることはできます。)。つまり、たとえ債権者の反対・異議があったとしても、認可を受けることが可能なのです。 ですので、債権者の異議によって小規模個人再生の再生計画が認可されない可能性が高い場合には、給与所得者等再生を利用するメリットが生じるということになります。当事務所においても、かかる異議を避けるために、敢えて返済額の大きい給与所得者等再生で申し立てることがあります。 以上のとおり、債権者の異議によって小規模個人再生の認可が受けられないおそれが大きい場合には、給与所得者等再生を利用することになりますが、そのようなおそれが小さい場合には、たとえサラリーマンであったとしても、小規模個人再生を選択することが多いでしょう。 個人再生のご相談は、神戸で債務整理35年を超える実績のシャローム綜合法律事務所までご相談下さい。

Q23.可処分所得とは?

給与所得者等再生手続で登場する「可処分所得」というキーワードにつきご説明します。 給与所得者等再生手続では、最低弁済基準と清算価値のほか、「可処分所得の2年分」を比較して、そのうち最も多い金額が弁済額となります。これら3つの基準の中では、「可処分所得の2年分」の額が一番大きくなることが多く、この額を原則3年間で弁済していくことになります。 なぜわざわざ弁済額の大きい給与所得者等再生を選択するのか。そのメリットについては、「債務整理Q&A 21 給与所得者等再生手続とは?」のコラムをご覧下さい。 さて、それでは、可処分所得とはどのようにして算定するのでしょうか。 具体的な計算方法ですが、可処分所得は、債務者の収入から税金等を差し引いて、更にその金額から「債務者およびその扶養を受けるべき者の最低限度の生活を維持するのに必要な1年分の費用」を控除して算出します。 そして、その最低生活維持費は、各自治体の生活保護基準を基礎に、居住地域・世帯別・年齢別等によって算出され、個人別生活費、世帯別生活費、冬季特別生活費、住居費及び勤労必要経費を合計した額となります。それぞれの金額については、「 民事再生法第二百四十一条第三項の額を定める政令 」で定められています。 式で表しますと、次のとおりになります。 可処分所得=(2年間の収入の合計-所得税・住民税等の税金と社会保険料)÷2-最低生活維持費 そして、この可処分所得の2年分が弁済総額となりますので、×2をした金額が最終的な金額となります。 何やら難しそうですが、 「可処分所得額算出シート記載要領」「可処分所得額算出シート」というツールをインターネットでダウンロードすることができますので、これらを参考にして、一度ご自身で算出してみれば、月々の支払額の目安が把握できるものと思われます。 可処分所得の算出方法は、慣れてしまえば簡単なのですが、初見ではなかなかに複雑でわかりにくいと思われます。お困りの際は、神戸で債務整理35年を超える実績のシャローム綜合法律事務所までお問い合わせ下さい。

24.任意整理とは?

任意整理をすると、どれぐらい借金が減るのでしょうか。 その答えとしては、任意整理により債権者と合意ができますと、原則として、取引開始時にさかのぼって利息制限法の上限金利(15~20%)に金利を引き下げて再計算して(これを「引き直し計算」といいます。)減額された元本のみを分割して返済すればよいことになり、将来の金利や遅延損害金を返済する必要がなくなります。また、月々の返済額も、3年程度の分割払いとなりますので、生活に支障のない範囲での支払いが可能となります。具体的に月々の返済額が幾らぐらいになるのかについては、お問い合わせ下さい。 しかし、この債務の圧縮率ですが、個人破産や個人再生と比べると、小さいものとなります。個人再生では、(大まかにいって)債務の約80%程度が減額され、個人破産の場合では、無事免責を受けると、100%(もっとも、税金等の免責されない債務はありますが。)の減額を得ることができます。 では、任意整理を選ぶメリットは何でしょうか。 まず、 個人破産を選択すると、住宅を手離さなければなりません。また、保証人がいる場合に個人破産や個人再生を利用すると、これらの手続きでは債権者全員を対象としなければなりませんので、保証人へ請求が行ってしまいます。 このような場合には、任意整理の方法を用いて、住宅ローンや保証人がついている債務を除いた債権者との間だけで減額交渉をして、分割で債務の支払いを開始するということが考えられます。 この、債権者を選択できるという点が、任意整理の大きなメリットと言えるでしょう。 また、任意整理とは、個人破産や個人再生と異なり、裁判所を利用せずに、弁護士が各債権者と交渉することによって実現可能な支払額・支払方法での和解契約を締結するという手続きです。裁判所外での手続きですので、裁判所に提出する書類(家族の所得証明等の書類)も不要ですので、個人破産や個人再生よりも、家族に内緒で手続きを進めることが比較的容易であるというメリットもあります。 「個人破産や個人再生はしたくない」「でも何とか月々の支払額を減額して借金を完済したい」とお思いの方は、任意整理をご検討下さい。 一般的に、債務が少額で債務者の支払能力がある場合には、任意整理を利用することが多いといえますが、場合によっては個人再生や個人破産の方が適当な場合もありますので、ご不明の点は、神戸で債務整理35年を超える実績のシャローム綜合法律事務所までご相談下さい。

Q25.取引履歴開示請求とは?

債務整理を行う際、まず弁護士が債権者(今回は、貸金業者を念頭に置きます。)に対して介入通知を発送しますが、その際、債権調査票の返送と併せて、取引履歴の開示を請求します。 利息制限法所定の制限利率に従って引き直し計算をするためには、過去の借入や返済の日付及び金額を把握する必要があるため、この取引履歴開示請求を行うのです。 かつては、この取引履歴開示請求に応じない貸金業者もおり、貸金業者に取引履歴開示義務があるのか否かが長く争われていましたが、平成17年7月19日最高裁判所第三小法廷判決が、次のように判示しました。 「貸金業法の趣旨に加えて、一般に、債務者は、債務内容を正確に把握できない場合には、弁済計画を立てることが困難となったり、過払金があるのにその返還を請求できないばかりか、更に弁済を求められてこれに応ずることを余儀なくされるなど、大きな不利益を被る可能性があるのに対して、貸金業者が保存している業務帳簿に基づいて債務内容を開示することは容易であり、貸金業者に特段の負担は生じないことに鑑みると、貸金業者は、債務者から取引履歴の開示を求められた場合には、その開示要求が濫用に渡ると認められるなど特段の事情のない限り、貸金業法の適用を受ける金銭消費貸借契約の付随義務として、信義則上、保存している業務帳簿(保存期間を経過して保存しているものを含む。)に基づいて取引履歴を開示すべき義務を負うものと解すべきである。」 このように、貸金業者の取引履歴開示義務が明確に認められることになりました。 これを受けて、貸金業法も改正されることとなり、貸金業法19条の2に明文で取引履歴開示義務が規定されるに至りました。 (貸金業法19条の2) 「債務者等又は債務者等であつた者その他内閣府令で定める者は、貸金業者に対し、内閣府令で定めるところにより、前条の帳簿(利害関係がある部分に限る。)の閲覧又は謄写を請求することができる。この場合において、貸金業者は、当該請求が当該請求を行つた者の権利の行使に関する調査を目的とするものでないことが明らかであるときを除き、当該請求を拒むことができない。」 ですので、現在では、弁護士からの取引履歴開示請求に対して、貸金業者は原則として応じる姿勢を見せております。また、虚偽の開示をした場合には、登録取り消し又は1年以内の業務停止命令が法律で予定されていますので(49条6号)、素直に応じた方が貸金業者にとってもメリットがあるということになります。 なお、弁護士からではなく、債務者本人からの請求に対しても開示は義務ですので、貸金業者はこれを拒むことはできませんが、弁護士からの請求の場合とは異なる様式での資料を送付してきたり(取引履歴には、決まった様式というものがありません。)、あるいは一部しか送付してこないということもあります。十分な情報がないことには、引き直し計算もできませんので、やはり弁護士に依頼されることをお勧めします。 余談ですが、最近、業者によっては、「請求が多く、事務手続に相応の期間を必要とするため、今しばらく猶予願いたい」旨の返事がなされることもよくあります。早期の個人破産を予定している場合には、これを待たずに申し立てることもあります。 神戸で債務整理35年を超える実績のシャローム綜合法律事務所までご相談下さい。

26.裁量免責とは?

ギャンブルや浪費をしてしまった場合に免責を受けることができるか。不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。 破産法は、免責不許可事由の存否について審理がなされた結果、当該事由がない限り、免責を許可する旨規定しており、その免責不許可事由については、252条1項各号に列挙されています。それらは、①破産債権者を実質的に害する行為類型(1~6号)、②破産手続の円滑な進行を阻害する行為類型(7~9、11号)、③政策的理由に基づく事由(10号)により構成されており、詳しくは実際に条文に当たっていただければと思いますが、特に皆様にとって該当することが多いのは、冒頭で申し上げたとおり、ギャンブルや浪費でしょう。 すなわち、破産法は、「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」(4号)を免責不許可事由としています。 具体的に、どのような行為がこれに該当するのでしょうか。判例を見てみましょう。 ①「抗告人が自己破産を申し立て破産手続開始決定がなされるに至った根本原因は、抗告人が競馬・競艇賭博に熱中し、これに要する資金をサラ金業者から自己の返済能力を顧みずに借り受けたことにあり、抗告人の右行為は本条1項4号に当たる。」(東京高決昭和61年5月28日) ②「抗告人が過大な債務を負担することとなったのは、安易な方法でサラ金業者から融資を受け続けたこと自体によるものと言うべきであって、競艇等の射幸行為はそのひとつの遠因に過ぎないから、これをもって射幸行為によって過大な債務を負担したものということはできず、本条1項4号所定の免責不許可事由には該当しない。」(東京高決昭和60年11月28日) いずれも、競艇等の賭博行為を問題視されて免責不許可決定がなされたため、高裁に即時抗告をした事案です。①では免責不許可事由に該当するとの判断がなされたのに対し、②では、競艇は債務増大の要因の一つに過ぎないとの判断から、免責不許可事由には該当しないとの判断がなされています。 余談ですが、一般に、免責不許可決定がなされる確率は極めて低いといえます。免責不許可決定が出る前に裁判所から示唆があり自主的に取り下げる案件が一定数ありますので、その暗数も計算に入れたとして、免責不許可相当の事案はおよそ2パーセント程度であると言われることがあります。 ですので、他の事件における即時抗告に比して、まだ高裁において結論が覆る可能性は大きいと考えることもできるかと思います(ただし、これに関しては統計を確認したわけではありませんので、あくまでも私見です。)。 いずれにせよここでお伝えしたいのは、上記②の判例のように、ギャンブルをした事実は否定できないとしても、必ずしもそれだけで免責不許可事由であるとされるわけではないということです。すなわち、当該ギャンブル行為が軽微なものに留まる、あるいは債務が膨れ上がった経緯に照らしてやむを得ない、又は当該ギャンブル行為が債務増大に寄与した程度が小さい、といった主張が裁判所に認められるならば、たとえギャンブルや浪費があったとしても、裁量免責を諦めるのはまだ時期尚早ということになります。 シャローム綜合法律事務所では、ご相談者から詳細に事情をお伺いして、たとえ免責不許可相当事由があったとしても、裁判所への説得的な説明により裁量免責の獲得が可能か否かについて丁寧に検討させていただきます。ギャンブルや浪費があったからといって、すぐに諦めないで下さい。

Q27.少額訴訟とは?

「裁判所から何か書類が届いた!」と言って、慌てて当事務所へお越しになる方がよくみられます。大抵の場合、訴状であったり、支払督促であったりするのですが、ときおり少額訴訟の訴状をお持ちの方がいらっしゃいますので、ここでは少額訴訟につきご説明させていただきます。

少額訴訟とは、民事訴訟のうち、60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて、原則として1回の審理で紛争解決を図る手続きです。地方裁判所ではなく、簡易裁判所が管轄となります。通常訴訟であれば、月に1回程度のペースで期日が開かれ、何度も裁判所に足を運ぶ必要がありますが、少額訴訟では、手続きを軽くすることにより、早期の紛争解決が志向されています。

それゆえ、証拠書類や証人は、審理の日にその場で即時に調べることのできるものに限られます。例えば証人でしたら、当日裁判所まで当人を連れて来ておかないといけません。法廷では、基本的には、裁判官と共に丸いテーブル(ラウンドテーブルと呼んでいます。)に着席する形式で審理が進められますので、ドラマなどで見るような、いかにも「法廷」という感じではありません。

さて、その他の少額訴訟の特色ですが、原告の主張が認容される場合でも、裁判官の裁量により、分割払い、支払猶予、遅延損害金免除の判決がなされることがあります。また、判決書や和解調書に基づき強制執行を申し立てることができるのは通常訴訟と同様ですが、異なるのは、当該判決等をした簡易裁判所においても強制執行の申立てができるという点は、実は大きなメリットです(少額訴訟債権執行)。

なお、少額訴訟に対する不服申立ては、異議の申立てに限られますので(控訴ができません。)、同じく簡裁が審理することになるため、結論がひっくり返ることはあまり望めないでしょう。ですので、より重い手続きで慎重に審理をしてもらいたいという場合には、最初から通常訴訟への移行の申出をしておく必要があります(答弁書を提出する際に、その旨記載しておけば足ります。)。

なお、少額訴訟を利用できるのは、同じ簡易裁判所において年に10回までと制限されています。これは、貸金業者やクレジットカード会社が少額訴訟の利用者の大部分を占めることになる弊害を防止するためです。

ですので、業者訴訟が少額訴訟によって提起されることは比較的稀ではないかと思われます。よくあるのは、個人が代理人を立てずに本人訴訟を行う場合で、例えば貸金返還請求であったり、あるいは建物賃貸人が原状回復費用を請求する場合などに利用されることが多いといえます。おそらく皆様が少額訴訟の被告となった場合も、このようなケースが多いのではないかと思われます。

裁判所からよく分からない書類が届いて、どうしたらよいか不安だという方は、なるべく早めに、シャローム綜合法律事務所までご相談下さい。