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新年の御挨拶

新年明けましておめでとうございます。

年が変わってもコロナは終息の気配すら見せず、今年が正念場ではないかと思えます。

昨年の当事務所の債務整理の業務を振り返ってみますと、「難しい事件が増えた」という印象があります。それは、コロナがなければ手放す必要のなかった不動産が関係する事件であったり、あるいは解雇により収入が突如途絶えたという労働事件が隣接する事件であったりと、やはりコロナの影響が色濃く伺われるものです。また、ご相談に来られる方も、有名企業にお勤めの方や公務員の方の割合が増えたということが挙げられます。
そして、他の特筆すべき点としては、9月から10月にかけて、ご相談の件数が減少したということも指摘できるでしょう。おそらくは、夏頃に定額給付金が支給されたことから、これらを原資に弁済を行い、一時をしのぐことができたということではないかと思われます。しかし、多重債務に陥っている方は、一人当たり10万円程度の定額給付金などで債務を全て整理することができるわけもなく、結局その後また返済が焦げ付くこととなり、最終的には弁護士に相談するという事態に陥るわけです。
報道によりますと、再度、緊急事態宣言が発令される模様です。これに伴い、給付金がまた支給されることも想定されます。この給付金の使い道ですが、借金の返済には充てず、債務整理の費用に充てられた方がよいと考えます。というのは、一部の債権者のみに返済した場合、偏波(へんぱ)弁済といって、後日、破産をする際に支障となります。また、破産管財人の費用として20万円ほどが必要となりますので、これらのために費消した方が有意義です(給付金で全ての債務を完済できる場合はこの限りではありません。)。頭に入れておいていただければ幸いです。
いずれにせよ、多重債務に陥っている方は、早めに弁護士に相談されることをお勧めします。コロナ対策とも通底しますが、手遅れになってからではなく、先手先手の対応が肝心です。
借金で長年頭を悩ませていらっしゃる方は、今年こそ、思い切って債務整理をして、晴れやかな気持ちになられてはいかがでしょうか。
(令和3年1月6日 弁護士 中川内 峰幸)